おしゃべりホットライン

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「学研アニメ声優WEB」と、人気アニメ情報誌「月刊アニメディア」(学研パブリッシング刊)の連動企画! アニメディア2月号「おしゃべりホットライン」掲載のインタビュー別バージョンを“WEB出張版”としてたっぷり紹介します。
アニメディアの記事も、ぜひチェックしてみてくださいね。

第12回 藤原啓治僕にとって芝居は、社会に交わるための重要なもの

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――藤原さんが、役者を志そうと思ったきっかけは何だったんですか?

「それは、自分の名前ではできないことを、役名を与えられることによってできるから。藤原啓治としてはできないことでもキャラクターを通してであれば、できるんですよ」

――なるほど。

「僕は表立って感情を出すタイプではなし、社会や人と触れ合う機会も少ない。だから芝居をする時は、溜め込んでいたものや、自分の中にある喜怒哀楽の感情を、“このキャラクターだったらもっと膨らませよう”とか“引っ込めたほうがいいかな”というふうに切り取って出している感じ。つまり、僕にとって芝居は、無理矢理にでも社会と交わらせてくれる重要なものなんです」

――藤原さんの演技論、参考になる方が多いと思います。ちなみに、藤原さんは声優業の知識がないまま業界に入られたそうですが、当時の印象的な出来事は?

「いちばん最初のアフレコ現場でのこと。事務所からスタジオの地図と入り時間を教えられて、現場へ向かったんです。僕は16時という入り時間の直前に入ればいいと思って、15時59分くらいに行ったんですけど、そうしたら現場にはもうズラリと人がいて、軽く遅刻に近い感じでした(笑)。それに僕は、アフレコの方法すら知りませんでしたからね。何も知らない世界で、吸収しなければならないことの量といったらものすごくて……。当時の僕は、先輩は敬うべき存在で、口をきいてはいけないという遠慮があったので、誰かを頼ることができなくて。仕事はもちろん、それ以外のことでストレスを感じることが多くありました。相当しんどくて、いつも辞めたいと考えてばかりいましたね」

――それでも辞めなかった理由は?

「飯を食う、です。それしかありません。でも、そういったしんどい状況が結果的によかったのかもしれません。うまくできない自分が腹立たしくもありましたし、声優志望者が多いなかで業界のことをよく知らないまま入ってきてしまった自分がすごく失礼に思えて、“少なくとも3年間は舞台をやらない、どんな状況でも仕事ができないとは言わない“と、自分で決めたんです」

――それをご自身に課して。

「そうですね。信用されるために必要なことだと思いましたから。田舎に帰った先で留守電に入っていた“明日なんですけど”というメッセージを聴いて、飛んで帰ったこともありました」

――ストイックですね。

「いえいえ。僕の基本理念は、“飯を食う”ですから。ご飯が食べられないものはただの趣味。そう思っていました」

――ところで、藤原さんはなぜ事務所を立ち上げようと思われたんですか?

「若手の演技に対して“もうちょっとこうやったほうが……”とか、“もう少し仕事があってもおかしくないくらいなのに”と、思うことがよくあって。でも、プロの現場である以上、他の事務所の後輩にアドバイスをするというわけにもいかない。いえ、まったくアドバイスをしなかったわけではないんですけど、もう少し言える場があったらいいなと思ったんです。それと、制作をやってみたいという気持ちもあって。そのためには手助けしてくれるスタッフが必要になります。そうなれば、彼らには僕が給料を払わなければまっとうではない。それを事務所に所属しながらやることは無理だと思って、現在の会社を立ち上げたんです。経営者になりたくて会社を興したわけではなく、自分がやりたいことをやるためには会社を作って、社長になるしかなかったというか……」

――なるほど。社長になったことで、声優としての在り方は変わりましたか?

「変わりました。感じをよくしようと思うようになりましたね(笑)。事務所の若手が“アイツのところか!”いじめられたら申し訳ないですから(笑)」

――では最後に、声優を目指す方へアドバイスをお願いします。

「声優というドアの向こうには、歌やラジオ、イベント、ゲーム……いろいろな可能性が詰まっているので、それだけで十分目指す価値はあると思います。その夢を諦めずに、噛り付いてでも声優になれるように頑張ってほしいです」

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